……夢乃くんを好きな気持ち。

堂々と言える彩芽ちゃんがカッコよかったし羨ましかった。


私は夢乃くんのことをどう思ってるんだろう。

いつもからかってきて意地悪ばかりで、でも優しくて可愛い夢乃くんに振り回される日々。

でもそんな中で夢乃くんのことをキライと思ったことは一度もない。

触れられるたびにドキドキして、心臓がバカになったのは私が慣れていないせいなのか、それとも相手が夢乃くんだからなのか。

その答えをずっと考えないようにしてきた。

だって曖昧なほうがラクだから。

気づいてしまえばきっと……。


そんなことを考えながらその日の夜。

お風呂に入って乙ゲーをやる元気もなくベッドに横になってると、スマホが鳴った。

画面に表示された名前は夢乃くん。


『も、もしもしっ……!』

起き上がった勢いで電話に出た。

声が上擦りそうになってしまった。