夢乃くんがやんちゃだったことをようやく信じた。だってあのピリッとした瞳は一瞬で〝勝てないな〟と思わせるほどの威力がある。
「大丈夫?」
「うん。ありがとう。桐人……」
やっぱり夢乃くんの前だと彩芽ちゃんは何倍も可愛い。そして切り取っておきたいほど、すごくお似合いだ。
それから私たちは注文を終えて席に戻った。
「おせーよ」と王様のような音弥くんの隣に夢乃くんが座って、私は彩芽ちゃんの隣の席。
「八塚。俺頼んだのこれじゃねーんだけど」
八塚(やつづか)とはどうやら彩芽ちゃんの名字らしい。
「桐人のは間違ってない?」
「俺は平気」
「良かったあ」
「おい、俺の話はどこいった」
音弥くんと彩芽ちゃんは同じ制服を着てるからおそらく高校は同じ。仲良し……には見えないけど、ここでも彩芽ちゃんは夢乃くんしか眼中にない。
……彩芽ちゃんは夢乃くんのことが好きなんだろうな。
それで夢乃くんは彩芽ちゃんに気を遣いながら話してる気がするから、やっぱりなにかがある。



