「い、いい加減にしてください……!」
たぶん私は今ものすごい赤い顔をしていると思う。
これは夢乃くんにドキドキしてるわけじゃなくて、こういう場面に不慣れなだけ。
「大丈夫。言わないよ。誰にも」
全然信用できないし、夢乃くんってこんな人だったの?
「俺が言ったことを受け入れてくれるなら」
甘いマスクの下に隠れた本当の顔。
夢乃くんのことなんてなにも知らないけど、唯一わかったことは夢乃くんは可愛い天使なんかじゃないってこと。
「ねえ、仁科さん」
ゾクッとする瞳。
「逆らわなければ痛いことしないからさ。だからね?今日から俺の彼女になってよ」
夢乃桐人。
女の子たちから可愛いと評判の王子様の素顔を、みんなはまだ知らない。



