「夢乃くーん」

学校に着くと女の子たちの声があちらこちらで響く。


「今日も天使みたいに可愛いね」

「癒される!撫でたい!」

「写メ撮っていいですか?できればツーショットでお願いします!」

夢乃くんは「あはは……」と作り笑顔を浮かべて若干早歩き。


遠目で見ても夢乃くんのキラキラオーラはすごくて、周りに花畑でもあるように空気が変わる。

全然三次元に興味はないし、他の男の子たちの名前すら覚えてないのに、なぜか夢乃くんには目を奪われてしまう。


……どうしよう。

夢乃くんファンの気持ちがだんだんと分かるようになってきた。


もしや夢乃くんの魅力に私もハマっている?

……まさか、はは、まさか、ね……。