イジワル男子の甘い声






「あれれ〜?双葉なにしてるのー?」


翌日。


朝のHR前。


いつものように私の席にやってきたミカは、机に広げられたものを覗きながらそう聞いてきた。


「見て分からない?お勉強だよ」


そう言いながら、とりあえず太文字になっているところに蛍光ペンで線を引く。


「いやいやいやいや、双葉がお勉強て」


「何よ〜」


「だって脳みそsakuと食べ物のことしかないじゃん」


「ミカに言われたくない〜!」


全部本当のことだけど、それはミカや他のみんなだって同じだ。


「本当はやりたくないけど…これもsakuを守るためなの」


「どーゆうことよ」


「実はね…」


持っていたペンを置いて、昨日パパに言われたことミカに話す。


あの後にsakuの歌を聞いて、ちゃんと頑張ってみようって思ったこと。