「冷たい…」
「何も。何で自分に益のないめんどくさいことをわざわざしないといけないわけ。お前のことなんだから1人でなんとかすればいいだろう。巻き込むな」
「うっ、」
「また泣くのかよ。勝手にすれば」
「え、ちょ、か、柏場くん…!」
─────バタン
あぁ。詰んだ。
いや、わかってた。わかってはいたさ。
柏場みたいな人間がすぐに「いいよ」なんて言ってくれないことぐらい。
だけど、0パーセントの可能性に望みをかけたのさ。
やっぱり自分で頑張るしかないかぁ。
85点以上なんて、笑っちゃう。
毎回必ず赤点を取って補習受けてる人種なんだから。
────ピロン♪
ん?
自分の家に戻ろうと玄関のドアに手をかけた時、スカートのポケットに入れていたスマホが音と一緒に震えた。



