イジワル男子の甘い声



おかしいよ…こんなの。


私が勉強しなくても、今まで何にも言わなかったのに。


どんどん変わっていくパパに、おかしくなりそう。


「はぁ…」


1人になって、大きくため息をつく。


柏場に…返しに行こう。


まだ食事途中にもかかわらず、席を立って、隣の柏場んちに行こうと玄関へ向かう。


そういえば…。


柏場って勉強できたよね。


学年1位だって、有名な話じゃんか。


私は、置いてあった紙袋を急いで手にもって慌てて玄関のドアを開けた。


嫌いだと言いながら、柏場を頼ってばかりなのはちゃんと自覚している。


嫌な奴だと思う。


だけど、嫌だから関わらないと線を引いて、あとで自分が後悔するくらいなら、出来ることはなんだってしたい。


少しでも望みがあるのなら。