勉強しろ、なんて今まで言ったことないパパがこういう話をしているのが信じられない。
私が健康で楽しく過ごせていればそれでいいって、いつも笑っていたのに。
「パパ…?」
「今度のテスト、返却されたら全部見せなさい。悪かったらパパにも考えがあるから」
「え、ちょ、いきなり困るよ…」
おかしい。急にこんなこと言ってくるなんて。久しぶりに2人で食事が出来たと思っていたのに。
「これからは常に、85点以上を…」
「85点?!無理だよ!」
思わず勢いよく立ち上がってしまい、持っていたお箸がテーブルの上で転がった。
「どうして。日頃から勉強していれば大丈夫だろう。いいか?パパは双葉のことを思って言ってるんだ」
「っ、」
私のためなんかじゃない。
絶対そうだ。
「パパみたいに苦労して欲しくない。だから、いい学校に行って、いい会社について欲しいんだ」
「そんなこと急にいわれても」



