「……」


「……」


食事中、何か話さなきゃと思うたびになかなか声が出てこない。


これをいっても大丈夫だろうか、パパは不機嫌になったりしないだろうか、なんて考えてしまって。


聞こえるのは、食器とお箸が当たる音だけ。


広いお家だから、それがまたよく響く。



「勉強はちゃんとやっているか」


っ?!


「…へっ、あ、うんっ」


突然、パパが話しかけてきたので驚いて『うん』なんていってしまった。


勉強のことなんて、今で一度も聞いたことないのに。


「それなら良かった。大学はどこに行くのか考えているのか?」


「えっ、」


「社会は学歴が全てだ。いい学校に行きなさい」


まるで、ここにいるのはパパの仮面を被った別の人見たい。