柏場 優作。
口が悪くて、特に女子にはすごく毒舌だと学年でも有名だ。
なんと言っても、成績学年トップでまぁまぁのイケメン。
認めたくないけどそうなのだ。
だから、みんな柏場のことが大嫌いだけど、彼に勝てる人はいないわけで。
「せっかくsakuの話で気分上がってたのに〜」
「ほんっと最悪っ!」
一番後ろの席で、うつ伏せして寝ている彼を見る。
なんでわざわざ怒らせるようこと言うんだろう。
「あ、そうだ!」
グループの1人が顔をパッと明るくさせて声を出した。
「双葉、新しい家はどうなの?」
ニコニコしながら聞いてきた彼女に私は思い出して「あっ!」と言う。
「うん。片付けもだいたい済んだから落ち着いたかな」
「前の家より広いんでしょ?」
「うん、まぁ…」
そう。私は先週、引っ越しを終えて昨日やっと部屋の片付けを終えることができた。
「広い家、嬉しくないの?」
顔を曇らせた私の顔を覗く友達。
「え、あぁ。ううん!嬉しい!今度みんなで遊びにきてよ!」
私は慌てて笑顔を向けてそう言う。
「えー!行く!!」
「楽しみー!」
みんなの楽しそうな声で、ほんの少しホッとした。