イジワル男子の甘い声



「…じゃあね、優」


「……」


そう言って、自然と握っていた手を離して、乗り込もうとした瞬間──────。



っ?!


腕をグイッと掴まれて、肩にズンと重たい何かが乗った。


多分、これは優の頭だ。



「優…?」



「………嫌だ」


っ?!


不覚にも、ドキッなんて胸がなってしまった。


「…行かないでほしい。双葉」


彼の、私の腕を掴む力が少し強くなって。


私もちゃんと、彼の中でちゃんと必要ない存在になれているってことが嬉しい。



優がこんなに自分の気持ちをストレートに、ただをこねる子供のようにぶつけてくれたことが、ちょっと可愛いな、なんて思って、それと一緒にまた涙が溢れそうになる。