「…ノアが車出してくれた」
「ノアが…」
わざわざホームまでなんて、いらないお金使わせちゃったんじゃ…。
「わざわざ…ありがとうっ、余計なお金使ちゃった」
「入場券なんて払ったうちに入らないだろう」
そりゃ、今の優は大人気歌い手さんで、お金には困ってないのだろうけど…。
まさか。
来てくれたなんて。
私はどんだけ優に迷惑かけたら気が済むんだろうか。
「ノ、ノアは?」
「知らね。俺の顔見てあいつの名前呼ぶな」
うっ。
会ったら会ったで、改めてなんの話をしていいのかわからなくて思わずノアの話したけど、やっぱりダメだったか。
「後ろ向いて」
「えっ、ちょ」
「時間ないから早くしろ」と言われて、強引に後ろをくるっと振り向かされると、首元が少しくすぐったくなって、冷んやりとした何かが置かれた。



