「っ、そ、そうですけど…あの…あなたは」
「きゃぁーー!やっぱり!双葉ちゃん!んもう!写真も可愛いけど、動いてると一段と可愛い!」
っ?!
しゃ、写真?
女の人は突然目を輝かせると、私の両手を取って嬉しそうにニコニコした笑顔を向けてきた。
え、な、なんだろう、この人…。
「えっと…」
「あっ、ご、ごめんなさい!急に触ったりなんか!」
「いえ…大丈夫…ですけど…」
「突然ごめんね。双葉ちゃんに会いたくて学校終わるの待ってたんだ」
「えっと…」
この人…もしかして…。
一気に胸がざわざわする。
「あなたのお父さんと同じ部署で働く、柳田 里菜(やなぎだ りな)です。里菜でいいよ。私も双葉ちゃんって勝手に呼んじゃってるし」
女の人は、そう言って自己紹介すると私に頭を下げると、少し切なそうに笑った。



