また前みたいに、パパとの時間を取り戻すんだ。この期間に話せなかったこと、まだまだたくさんあるから。


早歩きで廊下を歩いて、校舎を出る。


今日はパパの好きなハンバーグを作ろう。
あ、マカロニサラダもっ!


その前に買い物…。


「…双葉、ちゃん?」


頭の中で夕飯の買い物をシュミレーションしながら校門を出た瞬間、


女の人らしき声に名前を呼ばれた。


女の勘、とでもいうのだろうか。


振り返った瞬間、やばい、もしかしてって勘付けてしまった。

黒のスーツに、ブラウンのロングストレートの髪を後ろで一つに縛った女性。


ザ・キャリアウーマンって感じだ。


背筋もピンとしてて、何と言っても、すっごく綺麗な顔。