パパが仕事場と私の学校にお休みの連絡を入れてから、2人で久しぶりに向かい合って座って。


パパは私の作った卵焼きを一口食べると泣いてしまって。


お弁当を作ろうって思ったのは、優が前に、ぐちゃぐちゃの卵焼き入れろなんて言った時の提案から生まれたもの。


流石にぐちゃぐちゃの卵焼きを入れるのはやめたけど。


それでもそんなお弁当のお陰で2人の思い出話がたくさんできてた。


そして、他にもいろんな話をした。


基本的に、私の学校の話しばかりだったけど。


実は隣の人が同じクラスの男の子だって話をしたらパパは驚いてすぐに、眉を潜めたから、付き合ってることはもう少し後に話そうって決めた。


パパはずっと私の話を楽しそうに聞いてくれて。ほんっとに嬉しくて、やっぱりこの時間はまだ失いたくないって心から思った。


ただ…。


肝心の、パパが私に合わせたがっていた例の女の人のことは、まだ少し怖くて聞けなかったけど。


それでも…。


「双葉、ありがとう」


パパのその優しい声と笑顔で、パパの子供でよかったって気持ちは絶対に変わらないって確信したんだ。