「ミ、ミズキさんって女の人じゃないの?」
「まぁ、分かりづらい名前だって言われたらどーなのか知らないけど、弟だよ。俺の。ノアも知ってる」
「はいっ?!」
『ノアも知ってる』
そんなのおかしい。だって…。
「ノアはそんな女の人知らないって」
「騙されたんだろ?あんなやつの言うことすぐ信じるから…バカだな」
うっそ…。
じゃあ、私はずっと優の弟にヤキモチ妬いてたってこと?!
途端に恥ずかしくなって顔を抑える。
「ミズキは中学2年で今は学校の寮で生活してる。それ以外の俺の家庭事情はあいつがペラペラ喋ったろ」
「そうなんだ…てっきり優の想い人かと。すみません勝手に聞きました。弟の瑞紀くんとは一緒に住まないの?」
タコさんウインナーを口に運んだ優に聞く。
まさか、彼が自分から家族の話をしてくれるなんて。



