「いただきます」
パカッと優が開けた弁当箱を覗く。
よかった。
傾いたり崩れしてはしていない。
見た目もバッチリ。
あとは味だ。
「どうぞ」
お口に合うか心配って思ったけど…優はよく私のご飯を食べていたし、大丈夫…だよね?
食べてもらう相手は変わっていないのに、恋人関係だと思うと途端に緊張してしまう。
「なに、毒でも入れたの?見過ぎ」
「ひえっ?そ、そんなもの入れないよ!」
まじか…そんなに見てたか…。
指摘されるぐらいガン見してたなんて、気持ち悪いじゃん。
「……」
無言で卵焼きをパクッと口に入れた優を見つめる。今日の卵焼きはいつもと違う。カニカマとネギを入れて風味と食感を楽しめるようにしてみたんだ。
「ど、どう?」
「ん。うまいよ、外で食べるとまた違う」