「あ〜〜素敵だったぁぁぁ!」


「ほんっと泣き虫」


「うっ、…ごめんなさい」


会場を出てモールのエスカレーターを降りながら柏場に謝る。


自分がこんな泣き虫だとは思わなかった。
自分が一番びっくりしているんだから。


「だって…あんなに綺麗な星初めて見たんだもん。この世であんなにたくさん星が見られるなんて…」


「満足したんなら良かった」


「うんっ!ストラップも貰えたしっ」


私はそう言って、星をモチーフにしたキャラクターのストラップを柏場に見せる。


「それ最後にみんなに配ってたやつ」


「それでもいいもん。柏場くんとはじめてのデート記念だよ。き・ね・ん!ひひっ」


「はぁ…」


「えっ、なに?」


突然の柏場ため息にそう聞く。彼のそのため息にはだいぶ慣れたけれど。