「な、速いだろ」


「う、うん。でも、私の方がやばいと思うけど」


「フッ、なんでそこ張り合おうとすんの」


「だって…絶対、柏場くんのほうが慣れてるから」


こんなに好きだって思ってしまったのに。
あんなに自分勝手に触れてキスしたのに、まだそんなことをほざくのかこいつは。


これも計算か?


「気持ちがあるのとないのとじゃ全然ちげーの。それとも何?もう少し情熱的なのが良かった?」


「えっ、いや、ううんううん!ち、違う!」


また真っ赤して。
こいつはどんだけ赤く慣れば気がすむんだ。


「なら、わかったかよ」


「う、うん。へへっ、、嬉しい」


「はぁ…」


「えっ、何」


無自覚なのか。
どんな化粧や格好よりも。
狙ってないその無邪気な照れた顔が、一番愛おしくて。


この笑顔を守りたいって思った。


「バーカ」


彼女の頬をぶちゅと潰してそう言うと、


彼女の唇に、


またキスを落とした。