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ピンポーン
柏場の家のチャイムを鳴らす。
…ご飯じゃないけど。
自分の手元に目を落とす。
茶色い紙袋の中には、ラッピング袋に包まれたクッキー。
バカみたいなのはわかってる。
柏場にこんなものを作るなんて。
やっぱり、私はノアが言うように、ミズキさんという人に嫉妬してるんだろうか。
手作りお菓子とか流石に重い?!
でも、せっかくノアが綺麗にしてくれた姿を柏場に見せる口実を作るには方法がこれしかなかった。
いや、わざわざあいつに見せる必要なんてないんだけど。
あんなにブスとか言われると、そりゃこっちだってちょっとはマシになった姿をみせてギャフンと言わせたいと言いますか?!
これが世でいう、乙女心なのだろうか。
パパのために買ったはずの卵も余ってたし。
だからクッキーを作ったんだ。うん。
────ガチャ