「す、すみません…」


謝りながらおでこをさする。
ううっ、ヒリヒリする。


「今井さんごめんねぇ!」


相手コートの女の子が手を合わせて申し訳なさそうに謝ってくる。
まるで彼女の方が怪我したみたいに顔を歪めて今にも泣きそうだけど…。


確かこの子、バレー部よね。


そりゃ、痛いわー。


「全然大丈夫だよ!気にしないで!」


ニンッと笑って見せると、彼女は安心しように胸をなでおろす。


「双葉大丈夫?めっちゃすごい音したよ」


「おでこ真っ赤じゃーん」


同じグループの子たちが集まって、私の前髪を優しく横流しにしてからおでこを見つめる。


「被害者は双葉なのにあんな怒んなくていいのにね、先生。保健室に氷もらいにいこ」