黙ってればマシなのに。
心の中でそう呟いた瞬間──────。
っ?!
「ん〜……」
「へっ、ちょ!」
突然柏場が唸ったと思ったら、ベッドに添えていた手をグイっと彼に引っ張られる。
おいおいおいおい。
何もしないはずじゃなかったか、ノアの言うことが本当なら!
あまりにも突然だったので、私の体は振りほどくという頭が回らず。
「…っん」
「…ちょ、嘘でしょ…」
私は、酔った柏場にベッドで抱きしめられたまま、動けなくなってしまった。
ありえない。
柏場に捕まったままベッドにいるとか、まじありえない。
しかも酒くせぇ!!
ったくなんなんだよ!!
大人しく寝とけよ!!



