『悪いけど、こっちのドア開けてくれないかな?』


「えっ、」


『いや、色々あって優作が動ける状態じゃなくてさ…』



そう言って、ノアがカメラから身体を少しずらすと、グテッと座り込んでる人影が見える。顔は俯いてて見えないけど…。


っ?!


もしかして、これ柏場?!


『事情は後で説明するから、開けてくれない?鍵どこ探しても見つからなくてさ…』


『困った子だよ本当。ね、お願い』
と付け加えたノア。


「わ、わかった!今解除するね!」


私はそう言って、自動ドアの解除ボタンを押す。


『お、助かる〜』


ノアのその声とともに自動ドアがウィンと開くと、ノアは、軽々と柏場の身体を持ち上げて引きずるようにドアの中へと入っていった。