「全部…いいよね…」


「いや、それはそうなんだけどさー!そうじゃなくてさー!」


「なんか最近、双葉テンション低くない?」


同じグループの子が私の顔を覗きながらそう言った。


「えっ、そんなこと…」


そりゃ、大好きな歌い手がクラスメイトだったなんて知って、今まで通りでいられるほうがすごいかと…。

なんて、言えるわけない。


「なになに〜なんかあった〜?」


「いや…お腹すいたなーって思って!」


「まだ1時間目終わったばっかじゃん」


ミカにそうツッコまれると、みんなその後に続いて「ほんと頭の中sakuと食べ物だね〜」なんて言って笑う。


そう。


この空間が心地いいんだ。
何かに悩んでて落ち込んでたり考えたりしているような人間じゃない。

お気楽だ、って笑われることしか私にはないのだから。