はっはーーーん。


なるほど。


この高そうな機材たちを、私が部屋に入って壊しちゃったりしたことを考えて、柏場は私に部屋に入るな、って怖い顔して忠告したんだ。


そうかそうか。


でもね柏場くんよ。
私だってそこまで子供じゃないんだ。
人様のものをそう簡単に壊したりしないよ。


でも、ここにあるものが柏場にとってすごく大切だってことなんだろうな。


パソコンの置かれたデスクに、落ちていた紙を置く。


よし。


私は何も見ていないぞ、柏場。


そう心に言い聞かせて、部屋を出ようとした時、


ん?


入り口の端に積まれた2つの段ボール箱。


上の段ボールは、開いたまま。


その中に入ってる1つに、


すごく見覚えがあった。


『saku へ』