真っ先に話したかったんだ。


家は隣のくせに、意味わからないくらいなかなかマンションやスーパーでは会えないし。


この3日間、伝えたくてたまらなかったんだから。


脚が長い分、彼はもう私の走ってる廊下には姿がなかった。


もう階段降りたのか!


慌てて階段を駆け下りる。


まだ誰もいないシーンとした階段には、私のうるさい足音だけがパタパタと響く。



…いたっ!


1階分降りた時、彼の背中が見えた。


「柏場くんっ!」


もう少しで、彼の背中に手が届きそうな瞬間に名前を呼んでしまって。


グホッ!


彼の背中に綺麗に顔面からぶつかってしまった。


「はぁ…相変わらず騒がしいな。テストの時くらい疲れて死んでろよ」


うっ。


死んでろて…。


言い過ぎやんけ。