「あっそ。どーでも良いけど、さっさと食べろよ。最終確認する時間なくなる。寝不足で集中できなかったなんて言語道断なんだから、今日は早めに終わらせるぞ」
「っ、はーーーい」
はぁーやっぱり感じ悪いっ!
寝不足がいけないことくらいわかってますし!どーでも良いってひどくない?!柏場から言い出したくせさぁー!
でも…。
ケチャップの『ありがとう』の文字を、潰さないように食べてるところとか、
私のくだらない思い出話しをちゃんと聞いてくれてて反応してたこととか、
思ってよりも、柏場って悪い人じゃないのかなって感じる自分がいるのも正直なところで。
だけど…この時間も今日で最後か。
気難しいやつだけど、1人で食べる夕食よりずっとマシだった。
まるで、パパへの寂しさを知らない間に柏場で埋めてたみたいに。
あの性悪男で埋めるなんてどうかしてるなんてわかっているけれど。
この部屋に来なくなることに、少しだけ寂しさを感じながら、
ケチャップライスを頬張った。