「柏場くん、食器洗い終わっ─────」


キッチンから出てリビングに顔を出してそう言いながら、声を出すのをやめた。


…寝てる。


私が一歩、また一歩と近づいても全然起きる気配がない。


そっか…。そりゃ疲れたよね。


私も相当疲れたけど、このバカ頭相手にわかるように教えてあげるなんて、私以上に体力がいったはず。


それにしても…。


やっぱり綺麗な顔立ちだ。
これで優しかったらすごくモテモテだろうに。


でもまぁ、こんな性格でも未だに告白する子がいたくらいだもんなぁ。


柏場と始めて話した時を思い出して、なんだかもう懐かしく感じる。


あの時はまさか、自分がこうやってこいつのうちで勉強教えてもらうなんて思っても見なかったわけだし。変な気分だ。