もう、柏場の中の私は落ちるところまで落ちているし、私の恥じらいなんてもはやないに等しい。
「柏場くんなに食べたい?」
「別になんでも」
「…本当に?」
食事を作るって条件で勉強を教えてもらっているから、柏場が食べたいものを作るつもりだったのに、
なんでもいいなんて言われてもそれはそれで困っちゃうなぁ。
「柏場くん、苦手な食べ物とかある?」
とりあえず、食べられないものは把握しておこう。
「……レバー」
「レバーかぁ。あのパサパサ感苦手っていう人いるよね〜」
私も、レバーは苦手ではないけれど特別好きってわけでもないから、嫌いな人の気持ちもなんとなくわかる。
「それ以外ならなんでも食べられる」
「そっか。わかった。じゃあ、買い物行ってくるね!」
私はリビングをたってから柏場にそう伝えて、柏場の家を出る。
レバーか…誰かも嫌いだったような。