「万年赤点野郎に85点を取らせるならそれくらい当然。足りないくらいだ」


「うわぁ…」


「今まで真面目に授業受けなかった自分を呪うといい」


そう言いながら、柏場は古典の教科書を開きだす。


え…もしかして…。


「柏場くん…もうそろそろ」


2教科もぶっ通しでやったんだ。あと少しすれば頭が吹っ飛んでしまう。限界だ。


「はぁー?舐めてんの?お前の遅れはお前が思ってる以上なんだよ。今のままだと赤点すら逃れられるかわかんねーぞ」


「うっ、」


そんなことわかっているけれど…。
がむしゃらにいっぺんにやれば良いものとも思えないよ。


グゥゥゥ


っ?!


な、なんてタイミングなんだ。


「…す、すみません」


「緊張感足りないんじゃないの?この状況でお腹が鳴るとか」


「せ、生理現象なんだから仕方ないでしょ!」


そう言い返しながらも、シンプルに恥ずかしい。こんな時にもお腹が鳴るなんて。


「はぁ…飯食べてからあとの残りやるぞ」


「へ…あっ、うん!」