「え、柏場くん、いいの?」
「俺の気が変わらないうちに早く入れば」
「は…はいっ!」
奇跡が起こってしまった。
あのカップ麺の山積みから見て食に興味なさげだったから、無理だと諦めていたけど。
料理しててよかったぁぁ。
これで無事だよ、saku!よかったね!
柏場、すごいやな奴って思ってたけど、案外ちゃんと人の話を聞いてくれる人だな。
リビングへ進む彼の背中についていきながら、ホッと胸をなで下ろす。
「なんかもういい点取れたみたいにアホ面で安心してるけど、どんなに俺が完璧に教えたってバカなお前がどう努力するか次第なんだからな」
「っ、わ、わかってますよぉー」
アホとかバカとか、いちいち悪口挟むなよ!性格悪男が!
でも、この減らず口もsakuのために我慢してやるんだから。
「よろしくお願いしますっ、柏場先生!」
こうして私の、性格悪男先生とのテスト勉強が始まった。