Tell*You






*おまけ*



side─陽汰─






「なぁー、璃乃ー?」


「……」


「なぁー!」


「着いてこないで」




着いてこないでって……帰るの同じ方向じゃん?

それにオレ一応彼氏じゃん?


ここまで冷たくあしらわれると哀しいんですけども……?



だがオレの方に非があるといえばあるのであれこれ反論を述べる余地も無いが……。



まさか引っ越しのことを疑わず信じてずっと悩ませていたことは本当に申し訳ないと思っている。


そのことが発覚した今朝から100万回謝った。


ちょっと盛ったけど……。


気持ちはそのつもりで!!



だが璃乃は本気でへそを曲げてしまい……。



めでたく付き合い始めた翌日から早速破局寸前……。




「ほんっとにゴメン!」


「もう分かったから」




何度謝っても全然分かってない口調で言われるオチ。


最初はなかなか素直になってくれない璃乃をからかうつもりだっただけで……。



引っ越しのことから思いがけず本心を見せてくれた璃乃に浮かれていたのも束の間……。



取り扱い注意状態中の彼女に何をしてあげるのが正解なのか1人あたふた。



金曜日の放課後、この別れ方はまずいだろう……


と焦りつつも結局そのまま気まずい別れを突き付けられて成す術も無く帰宅……。




「まずいなぁ……」



これではデートに誘うよりも難題な試練を与えられたではないか……


相当お怒りだな、璃乃。


特にこれという効果的な案も浮かばず。


別の未来を考えてみても、しっくりこなくて溜め息で消す……。










そのまま安眠出来ることなく迎えた土曜日早朝4時。


璃乃のことを考えると嫌でも目が覚めてしまい。


気晴らしに走りに行こうかなと外に出てから、ふとポストに目線がいく。




「あれ……なんか出てる?」




ポストの蓋から昨日まで無かった紙の端っこらしきものが少しはみ出ていた。




「……っ璃乃!」




引っ張り出してみると可愛らしいメモ用紙。


差出人の名前を見ずとも分かった璃乃の綺麗な字でメッセージが記されていた。



それを読んだオレは……


朝早過ぎるのに、とか璃乃は寝てるのに、なんてことをすっかり忘れ去って走り出す。



きっと同じ想いを抱えているであろう意地っ張りで、でもそんな所も含めて好きだと胸を張って言える彼女の元へ……。



さぁ、もうすぐ夜も明けて朝が来る。



君を迎えに行こう。


今さらかも知れないけど許してくれるかな?


その答えを聞くために…────────










“陽汰へ

引っ越しのこと正直確かに最初は怒ってたけど。
あれだけ謝ってくれたから許してあげる。
あたしも今まで陽汰に酷いこと言っちゃったし……。
だから、また明日からも懲りずに意地っ張りで可愛くないそんな私だけど陽汰に隣に居て欲しい。

璃乃より”





【END】