パチ…

目が見える、手が動く、足が上がる。

私はまだ生きてた。

『(なんで死ななかったんだろ…)』

声は相も変わらず出ないままだった…

「あぁ、マリア様、お起きになられたのですね…」

私の顔見知りが安心したような顔でこっちを
見ていた。

この人は私の執事で、バサラ。

バサラが抱いている、幼子は、私の唯一の

家族。ヘル。私の従者になる弟らしい。