えりかは私の手を引いて歩き出す。階段を降りて階下に行くと、メイドさんが入口の前でズラーーっと列を成していた。

「「「「「行ってらっしゃいませ。お嬢様、お客様」」」」」

見事にハモり、同時に頭を下げる。うわー、なんかすごい。拍手モンだわ。

「行ってまいりますわ。優香の部屋の掃除をしておいて下さいな。できればでよろしいですが、私の部屋も」

「「「「「承知しました」」」」」

ハモりがすごいね。なんで合わせられるんだろ。不思議だな、この家のメイドさんたち。いや、もしくはこれが普通なの？うーん、王宮じゃこんなの無かったしなぁ。分かんない。

「車は門の前にありますわ。走りますわよ」

「ひえ〜っ」

えりかは家から出た瞬間、一気に加速。そりゃもうトンデモナイ速さで走り出した。