【短編】不機嫌な最下くん



言い返そうとした私の口は、柔らかいものに塞がれた。


そして、目の前には目をつぶった最下くん。


なにこれ。


なんだこれ。


私─────最下くんと。



「俺ばっか意識してんのイライラする。俺ばっかドキドキしてんのイライラする。鈍感すぎてわかってくれないのすげぇ…」


顔を離した最下くんは真っ赤になりながら早口で話す。


私の頭は、やっと現状を理解し出している。


私…最下くんとキスした?

私…最下くんに告白された?


「…っ…嘘っっ」



鼻の奥がツンとしてだんだん顔が熱を持つ。



「やっと理解したのかよ」


呆れたようにそういう最下くん。


いや、だって。


ずっと嫌われていたと思っていたから。


もう一生話せないんじゃないかと思っていたから。