「ところで御影くん、それはなんですか?」



桐神がこちらへ駆け寄る。

やはり袋の中身が気になるようだ。

御影は、「あぁ」と袋から一つずつ丁寧にアイスを取り出し、



「西条に取られたからな。俺とお前と海空の分だ」



桐神に3つ、アイスを差し出した。



「わ、わざわざ買いに行ってくれたんですか!?」



桐神の目には感動からか、涙が浮かんでいる。



「太っ腹だねぇ」



城津は静かに手を叩いた。



「お前のだ」



御影は「ん」と言い、澪和にも冷えきったアイスを手渡す。



「ありがとうございます」



キンキンに冷えたアイスを手に取り、澪和は軽く頭を下げた。