「すみません。おそらく誠お坊ちゃまはまだお帰りになりたくないのだと思われますと申し上げたのですが…」


「父上か」



話しているのは片山。

それに応答する御影の声は鋭かった。



「いつまで父上に縛られないといけないんだ!俺は父上と同じ道など行かん!」



突然の御影の叫び声に澪和は身体をふるわせる。




凄い怒ってる……




片山は先程からずっと謝り続けている。




『父上と同じ道』ーーー




澪和の頭の中にまた、御影の父とは一体どの様な人なのか、という疑問が浮かんだ。