別荘と呼ばれた建物の中は広かった。

部屋の作りもまるで、南国リゾートの高級ホテルのようで…



「では私はこれで…。明日、お迎えにあがります」


「ああ、すまない」



玄関先で運転手と御影が会話しているのが聞こえる。


運転手が帰り、二人っきりになってしまった。


澪和はどうすればいいか分からず、海が一望出来るガラス張りの大広間のソファに腰をかけ、姿勢正しく御影を待っていた。



「海空…」


「はっ、はい!」



緊張で声が震える。