区営住宅の門をくぐって、俺は、エレベータを押して乗り込んでん。 ガチャンっと音と共に扉が閉まってん。 ボロやなぁと思ってんやけど気にしてられへん。 軽い振動がおこってから開いてん。 俺は、降りて俺んちのドアの前で拳を作って胸を軽く殴ってん。 おかん、ぜぇってぃ、俺の様子に気付いて、聞いてくると思うねん。 言ったらややこしくなるんは、分かってるねん。 俺の気持ちを落ち着かせたいねん。 「はぁぁぁ。 大丈夫、大丈夫」 言い聞かせて落ち着かせたるねん。