「あと、これ。」

菜摘ががさごそとカバンから取り出したもの。

「これ、って」

菜摘のてのひらにのった、恋愛守り。


今日、買いたかったやつだ。


「地主神社。美月楽しみにしてたでしょ。」

菜摘がそう言って、はい、とお守りをわたしに近づける。


「え、何で?」

「だって、班行動のルート決める時、るるぶですっごい見てたから。」


菜摘が言うと、優希ちゃんが爆笑する。


「..見てないよ!」

「いーけど。これ、おそろいだから!」


菜摘がもうひとつ、ほら、と見せてくれて、優希ちゃんの指先にも、お守りがある。


「いいことありますようにー!」

菜摘が手と手をあわせてぎゅっと目をつぶる。

「なにげに3人おそろ初だねー!」

優希ちゃんが言ってお守りをゆらゆらさせながら眺める。

わたしも頷いて、手の中のお守りを見つめる。