夏休み前の街は、夜だというのに人が多い。
千夏と翼は手を繋いだまま無言で歩いていた。
「…あの、翼さん」
「何?」
「えっと…そのっ……手…」
千夏が繋いでいる手を見ると、翼は真っ赤になって慌てて手を離した。
「…ごめん。気付かなかった」
「いえ、私は大丈夫ですけど…」
耳まで赤く染める翼を見た千夏も、何故だか段々恥ずかしくなってきた。
少し距離を開けてゆっくり歩く2人。
生ぬるい夏風は火照る頬を冷ましてはくれない。
無言に耐えられない千夏は、翼に話し掛けた。
「翼さんは、この辺に住んでるんですか?」
「うん。稲葉さんのアパートから徒歩30分くらいのアパートで一人暮らししてるよ」
「へぇ〜。じゃあ自転車だったら10分くらいで着いちゃうんですね。近いなぁ…」
小さな星が薄く輝く夜空を見上げながら千夏が呟くと、翼はチラッと千夏を見た。
「…よく隼人来るの?」
「来ますよ、毎日のように。…夜な夜なやらしい声を聞いてる私の身にもなって欲しいです」
千夏が顔を膨らませると、翼はフッと微笑んだ。
千夏と翼は手を繋いだまま無言で歩いていた。
「…あの、翼さん」
「何?」
「えっと…そのっ……手…」
千夏が繋いでいる手を見ると、翼は真っ赤になって慌てて手を離した。
「…ごめん。気付かなかった」
「いえ、私は大丈夫ですけど…」
耳まで赤く染める翼を見た千夏も、何故だか段々恥ずかしくなってきた。
少し距離を開けてゆっくり歩く2人。
生ぬるい夏風は火照る頬を冷ましてはくれない。
無言に耐えられない千夏は、翼に話し掛けた。
「翼さんは、この辺に住んでるんですか?」
「うん。稲葉さんのアパートから徒歩30分くらいのアパートで一人暮らししてるよ」
「へぇ〜。じゃあ自転車だったら10分くらいで着いちゃうんですね。近いなぁ…」
小さな星が薄く輝く夜空を見上げながら千夏が呟くと、翼はチラッと千夏を見た。
「…よく隼人来るの?」
「来ますよ、毎日のように。…夜な夜なやらしい声を聞いてる私の身にもなって欲しいです」
千夏が顔を膨らませると、翼はフッと微笑んだ。