「ちーはバカだなぁ。そんなの言わなくてもわかるだろ?」


「言ってくれなきゃわからないよ」



千夏が翼を上目遣いでジッと見つめると、翼は千夏の口にキスをした。


千夏は赤くなって翼の綺麗な顔を見つめる。




「…ちーは俺のすべてだよ。だから何も恐がる必要はない。ちーは俺のそばにいればいいんだ」



翼の言葉を聞いた千夏は涙を流した。


千夏の涙は翼の頬を伝い、翼の綺麗な肌から零れ落ちた。




「ちー…好き。大好きだよ」

「私も…翼大好き…」



2人は目を合わせて微笑み合うと、祭りの音が響く公園でもう一度キスを交わした。




落ちるところまで落ちる。


あなたは簡単に私を奈落の底に落としてしまう。




何度も何度も

こんなに簡単に恋に落としてしまう。




「隼人達の所に戻ろっか」

「うん、心配してるかもしれないもんね」



翼と千夏は立ち上がると祭りへと戻って行った。





恋愛は面倒くさい。

傷付くくらいなら彼氏なんかいらない。


そう思ってきた私の考えを翼はいとも簡単に覆してくれた。



翼となら

どんなに面倒くさい事が起こっても

どんなに傷付いても構わない。




何があってもそばにいたい。



そう思ったの。