“ちー…大好きだよ”



翼がそう呟いてくれた瞬間、私はまた翼に恋に落ちた。



ここまで好きにさせてくれる人は翼しかいない。



この時、本気でそう思った。





「ちー…眠たい?」

「うん、泣いたから少し眠くなった…」

「じゃあそろそろ帰ろうか」



千夏が頷くと翼は千夏の手を繋いで歩き出した。






上京して初めて迎えた夏休み。

素敵な彼氏が出来た夏休み。





2人と夏は

まだ始まったばかり。