千夏は本を本棚に戻すとソファに寝そべった。



「…翼は私の事、どう思ってるのかな?」



私は翼が見せる何気ない仕草にどんどん惹かれていく。


ブレーキが利かないみたいに止まれない恋心。



こんなに速いスピードで恋に落ちていたら、冷めてしまうのも早いのだろうか…。




恋愛ってよくわからない。

恋愛は一時の衝動でしかないのかな?




好きだった人を嫌いになってしまう日が来る。

私はいつもそうだった。




それじゃあいずれ、翼を想うこの気持ちもなくなってしまうの?


そんなの…嫌だ。






そんな事を考えていた千夏は、いつの間にかソファの上で眠ってしまった。





「ただいま。ごめんね、ちー。1人にして」



数時間後。

バイトから帰ってきた翼が部屋に入るとソファの上で無防備に眠っている千夏がいた。




「遅くなってごめんね。待ちきれなかったよね、ちー」



翼が髪を撫でると、千夏はくすぐったそうに体を縮こませた。