独り占めしても、いいですか?

「凛、日和がいる」



透が視線の中心を指差した。



「「「え⁉︎」」」



俺と秀也と優希の声が重なる。



つーことは、この騒ぎ…日和かよ!



俺は嫌な予感がして、スピードを上げて走り出した。



人の間を掻い潜って前へ進む。



「日和!」



俺は精一杯大きな声で叫んだ。



のに、日和は無反応。



一瞬怒ってるのかと思った。



俺が日和に最低なことをしたから。



軽蔑したのかと…



けど、日和の表情を見てそうじゃないことに気づいた。



聞こえてないんだ、俺の声は。



「「「日和(ひよちゃん)!」」」



みんなで名前を呼んでも聞こえていない。



俺達は日和のそばへ行き、ギュッと抱きしめた。



「日和、もう大丈夫だ」