独り占めしても、いいですか?

シーン…



静寂が教室を包む。



私の胸だけはドキドキと音を立てていた。



「きゃーーーー!」



「うおぉぉぉぉ!」



糸が切れたようにみんなが歓声をあげる。



たった1人を除いて。



「透君、ありがとう。

こんなに楽しかったのは久しぶり…

あの…ここ数日、態度悪くてごめんなさい」



音楽の力なのかな…?



私は素直に謝ることができた。



ただ、透君と仲良くなりたかった。



思えば、1度嫌なことを言われたくらいで拗ねてた私の方が子供だったんだし…



「俺も楽しかった。

凛なんかと歌うよりよっぽど」



「おい⁉︎」



「…それに、俺も何か怒らせた言動があったなら悪かった。

特に思い当たることはないけど…」



「ふふっ…」



いつもの私なら、きっとまたカチンときてたと思う。



けど、透君はそういう人なんだな…ってわかったから。



自分に素直で…だから周りを喜ばせるのも怒らせるのも無意識なんだろうな…って。



自分を曲げない感じ、自分に正直な感じが、歌やピアノに出てた。



だからあんなに綺麗な声や優しいピアノが弾けるんだなって思った。