独り占めしても、いいですか?

「歌いたい」



素直にそう言えた。



「よし」



私は椅子から降り、ピアノの横に立った。



透君が鍵盤に手を触れると、空気が変わった気がした。



まるで、コンサートホールにいるような…



プロを目の前にしているような…



透君はプロの演奏を知ってるんだな…って思った。



私もプロの演奏は散々聴いてきたからわかる。



透君は、少しそれに似たオーラを持ってる。



ポロン…



ピアノが鳴り始めた。



なんて優しい音…



スゥッと息を吸って…



「キラキラ光る お空の星よ」



ピアノに合わせるように、優しく歌い始めた。



透君のピアノが自然と身体に入ってくる。



不思議な感覚…



「瞬きしては みんなを見てる」



私も精一杯真剣に、優しく、心を込めて歌った。



そうじゃないと、透君に対して失礼。



ピアノに失礼。



ルイス先生との授業よりも一生懸命歌ったのは、これが初めてだった。



「キラキラ光る お空の星よ」



終わった…