独り占めしても、いいですか?

無理…どうしよう…



どうにも、ならない…



そんなことになったら…私、みんなに合わせる顔がない。



凛に、合わせる顔がない。



汚れた私なんて…



やだ、絶対やだ。



逃げなきゃ…逃げなきゃいけないのに…



逃げられない。



なんで…



なんで、こうなっちゃったの…?



今日はバレンタインのはずなのに。



家に帰って、チョコの準備をして、みんなと夜までチョコレートパーティーの予定だったのに。



どこから狂ったの…?



私がこの公園に立ち寄らなければ…



人が来た瞬間どこかに隠れていれば…



こんなことにはならなかった…?



お願い神様、一生のお願い。



時間を戻して…



もう寄り道なんてしないから。



フォンデュができなくたって我慢するから。



朱莉の用事が終わるまで学校で待ってたっていいから。



お願い、やり直させて…!



まあ、実際そんなことが起きるわけがない。



私の願いは虚しく空に消えた。