独り占めしても、いいですか?

「どうだ?一ノ瀬達に連絡ついたか?」



私の携帯を拾った笹木 希に声をかける。



「いや、全員電話に出ねえからメールしといた。

まあいつか気づくだろ」



そう言って用済みと言うように私の携帯を投げ捨てた。



「なんで、わざわざ…」



連絡を入れたら見つかる可能性が高まるだけ。



私としては好都合でしかないけど…



「あいつらにも復讐しねーとな」



どういうこと…?



「お前を1人で家に帰してみろよ。

どーせ誰にも何も言わねーんだろ?」



………確かに、私のことだからきっとそうする。



言いたくても言えないと思う。



「それじゃ面白くねえ。

正直俺たちが恨んでんのはお前じゃねーしな」



私じゃない…?



え、なにそれ。



じゃあ、本当に恨まれてるのは…?



……みんな⁉︎



「やめてっ!

みんなには何もしないでっ!」



「動くんじゃねえ!」



ドサッ



立ち上がろうとした瞬間髪の毛を引かれてまた地面に尻餅をついた。



今ならなんだって捨てられる。



髪の毛が全部抜かれたっていい、何されたっていい。



みんなを傷つけるくらいなら…