独り占めしても、いいですか?

「えーっと、それじゃあ、一ノ瀬君はどうしますか?」



生徒会長さんが凛にマイクを向けた。



そうだ、まだ凛の願いがあるんだ…!



それを使って今のを無効にされたら意味がなくなっちゃう…!



「………本当は今の日和の願いを取り下げたいところだけど…

日和にとってよっぽど大事なことみてーだから諦める」



よ、よかったぁ…



「そのかわりに俺は…歌を、歌いてぇ」



歌…?



ライブってこと…?



「日和、お前と一緒に」



えっ…?



凛の目がすごく真剣だった。



私と一緒に、歌…?



「凛、俺も歌う」



「はいはーい!僕も僕もー!」



「じゃあ、俺も仲間に入れてよ」



透、優ちゃん、秀ちゃんが凛の隣にきた。



「おう!もちろん、お前らも一緒にな!

……どうだ?日和」



みんなと歌…



そんなの…



「うんっ、もちろんっ!」



いいに決まってる…!



みんなと歌うなんて、いつぶりだろう…



小さい頃はよく歌ってたのに、いつのまにか私はみんなが歌ってるところを眺めるだけになっていた。